Linux Kernelが対応していないUSBデバイスを使用する方法

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ここで言うLinux Kernelが対応していないUSBデバイスというのは、デバイスのベンダーID(VID)とプロダクトID(PID)がカーネルのドライバが知らないために、ドライバはあるのにデバイスを認識しないということになってしまうデバイスのことを指します。 つまり、ドライバが知らないVID、PIDのUSBデバイスを使用する方法ということです。 以下の二つがあります。一つ目しか知らなかったのですが二つ目を知って便利になったのでここに書きます。

  • ドライバをコンパイル
  • ドライバに/sys のnew_idを使ってIDを伝える

ドライバをコンパイル

私の知る限り、USBデバイス用のドライバは通常、いくつかの(と言っても多数の)VIDとPIDの組み合わせを知っています。そしてその情報はソースコードに埋め込まれています。そのため新しいUSBデバイスに対応するためにはソースコードの修正を行って、コンパイルして利用する必要があります。 Linux Kernelに付属のドライバを使う場合には、以下の記事にあるような方法でコンパイルして利用する必要があります。しかし、Linux Kernelに付属のドライバはKernelバージョン毎にあるためKernelのアップデートをする度にドライバのコンパイルが必要になってしまいます。

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Kernel アップデートの度にコンパイルするのはかなりの手間なのでこれを防ぐには、Kernelのアップストリームに取り込んでもらう手があります。修正内容としてはVIDとPIDが列挙されている個所に1つ追加するだけなので軽微ですが、Linux Kernelの修正の流儀がわかっておらず依頼していません。

ドライバに/sys のnew_idを使ってIDを伝える

ドライバに動的にVID PIDを伝えることでデバイスを使えるようにする方法があります。 /sys/bus/usb/drivers/の下にドライバ名のディレクトリがあればその下のnew_idにVID PIDを書き込みます。 するとドライバがそのデバイスを利用可能にしてくれます。 ドライバ名のディレクトリがない場合は該当のドライバが読み込まれていないのでmodprobeコマンドで読み込む必要があります。

echo "0411 014F" > /sys/bus/usb/drivers/rt2800usb/new_id

modprobeコマンドで読み込むのを自動で行うには/etc/modulesファイルにドライバ名を書きます。 また、/etc/modprobe.d/の下に拡張子を.confにしたファイルを置いて以下のように書くとOS起動時に上記コマンドまで実施してくれて便利です。

install rt2800usb /sbin/modprobe -i rt2800usb; echo "0411 014F" > /sys/bus/usb/drivers/rt2800usb/new_id