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はじめに

これから登山を始めようとする人と経験者としての私が、一緒に登山に行くことを前提に、持ってきてもらいたい装備や事前準備について書いています。

登山は特別な技術を持たなくても気軽に始められる運動ですが、大怪我をする危険性もあるため安全に気を配る必要があります。

装備品によるリスク低減はできますが、絶対的なものではありません。

安全に登山を行うには、自身の体力や歩行技術をベースに、様々な知識と判断力も必要です。

はじめのうちは、安全に歩けるように体力をつけることと歩行技術を身に着けるのが良いと思います。

知識や判断については一緒に歩く経験者にある程度任せて良いと思いますので、徐々に身に着けてください。


体づくりと靴慣らし

登山の基本は歩くことです。ザックを背負って長時間歩きます。

荷物を持った状態で数時間歩くことができる体力が必須ですので、日ごろから運動をしていない場合には、積極的に体を動かすようにして数時間の歩行ができるようにしてください。

よく知っている道を実際に荷物を持って歩いてみるのも良いです。できれば、坂道や階段のある道を上ったり下りたりして実際の登山のような負荷を掛けるようにすると、より良いと思います。

長時間歩くためには靴も重要です。登山用の靴は整地されていないでこぼこの地面で重い荷物を持って歩いても足が疲れにくいように固めに作られています。

ランニングシューズのような柔らかさはなく、足に合わないと当たって痛くなります。また、靴擦れを起こすこともあります。

靴擦れを起こした状態で長時間歩くことはかなり苦痛で、基本的に歩けません。そのため、足に合った靴を選ぶことが重要です。

また、足に合った靴だとしても、靴紐の結び方によって足に当たって痛くなったり靴擦れを起こすこともあります。新品の靴の場合には革もしくは繊維が固く歩きずらいこともあります。そのため、実際に自分で靴を履き、適切な靴紐の締め具合を知り、靴を履き慣らすことも重要です。

登山を始めたばかりの人は靴紐を緩く締めがちなので、経験者に見てもらうこともお勧めします。


ザック(リュックサック)

歩行の際に両手が自由になるようにザックを用意してください。

ザックは容量によるサイズの違いのほかに、背面長によるサイズというものがあります。

背面長によるサイズというのは身長に合わせたサイズのことです。背面長が合わないザックを使うと重く感じたりして疲れやすくなる場合があります。

登山用品店や経験者にも見てもらって選んでください。

ザックの容量は30~40リットルくらいが良いと思います。

なお、肩掛けのカバンのようにぶらぶらするものや紐が長く枝などに引っ掛かりやすいものは危険なので、基本的には使いません。


服装(ウェア)

季節によらず長袖長ズボンがおすすめです。ケガの防止と日焼けの防止が理由です。

暖かい季節は暑そうと想像するかもしれませんが、夏用の涼しい素材のものであればそれほど暑くありませんし、日焼けによる火照りに比べればずっと涼しいです。

登山は歩くだけですが、基本的に傾斜のある道を歩くため、意外に負荷の高い運動になります。また、荷物による負荷も加わります。そのため、歩行中は体が暖かくなり汗をかきます。 そして、休憩中は汗冷えにより寒く感じることもあります。寒い時期には歩き始めは寒くても、しばらくすると汗ばむようになります。

このように体感温度はその時々で変わります。そのため、薄手のウェアを着たり脱いだりすることで温度調節をするのがおすすめです。

厚手のウェアでは暑すぎて快適な状態を作り出せないことがあります。

寒い時期で歩き出しは暖かい恰好だったとしても、30分以内くらいに暑くなり1枚脱ぐことがよくあります。その後の休憩では脱いだものをまた着て、昼食の休憩ではさらに1枚着るというような感じで薄手のものを複数枚重ねて着たり、脱いだりできるようにしておくのがおすすめです。

素材としては化学繊維のものが扱いやすいです。ウールも良いです。ダウンは濡れると保温性がなくなるのでそこに注意すれば小さく軽いという利点が活きます。


装備(持ち物)

ザックにすべて入れて持ち運ぶようにしてください。また、雨に濡れて困るものは濡れないようにビニール袋に入れた上でザックに入れるようにするのが無難です。

食料関連

登山中の栄養補給と水分補給が必要です。

朝食は登山前に済ませておいて、昼食のみ登山中に取ることを前提にします。

水分は1日あたり1.5リットルくらいを目安に持っておくのが良いですが、行動時間や季節を踏まえて調節してください。荷物の重さにも直結します。

行動食というのは、歩きながら食べるか座らない小休止(休憩)の際に食べるものです。時々食べてエネルギーや栄養素の補給を行います。

  • 水筒1リットル分(中身は水、お茶、スポーツドリンクなど何でもOK。ペットボトルでもOK)
  • 行動食(塩分を含むしょっぱい系と、糖分を含む甘い系のお菓子や軽食など)
  • 昼食(おにぎりやパンなど手軽に食べられるものがおすすめ。箸を使うものはやや手間。)

ウェア関連

服装のところで説明したもの以外に、レインウェア(雨具)とヤッケ(風除け)があると安心です。

  • レインウェア(長袖長ズボンでフード付きのもの。透湿素材のものが蒸れにくくおすすめ。ただし、高価)
  • ヤッケ(主に防風による保温を目的にした薄手のジャケット。レインウェアを風除けとして利用しても良い)

情報関連

持っておくべきものもしくは知っておくべき情報があります。

  • 地図(登山口から下山口までと、公共交通機関から/までの道順がわかるもの)
  • 当日の天気予報
  • 緊急連絡先(同行者に何かあった際の連絡先)
  • 登山計画書(登山ルート、同行者、緊急連絡先、持病などを記載し、管轄の都道府県警に提出したもの)

生活必需品

服薬中の薬やコンタクトレンズなど、なくてはならないものは場合によっては予備も必要です。

  • 薬(持病がある場合など)
  • 眼鏡、コンタクトレンズ
  • お金(移動のためのSuicaやクレジットカードなども含む)

非常用装備

遭難時やケガに備えて持っておくべきものがあります。

  • ヘッドライト(手ぶらで足元を照らして歩けるのであれば、ヘッドライトでなくても可)
  • 非常食(弱った状態でも簡単に食べられるもの。片手で食べられるもの)
  • 携帯電話
  • 救急セット(ケガ、病気に対応するもの。何を持つべきかは別に説明予定)

おわりに

あると便利なものはほかにもたくさんありますが、荷物を増やすとそれだけ重くなり歩くのも大変になります。

重い荷物を背負うと体力を消耗する上に、バランスを崩しやすくなり転倒のリスクが上がります。

念のためと思って荷物を増やしたために遭難してしまうということもあります。

重要なのは、予定する登山コースの長さや天気に合わせて必要なものを選択する判断力です。

経験を積むと自分にとっての必要最小限の装備が何かというのが徐々にわかってきます。

最初のうちは装備のいくつかを経験者に頼ることもあるかもしれませんが、体力に余裕が出てきたら徐々に必要な荷物を自分ですべて持ち、徐々に無駄な装備を減らしていくと良いと思います。

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